物流拠点の空間・動線再設計による、マルチチャネル出荷能力の拡張
1.PJ背景
マルチチャネル化に伴う出荷ポートフォリオの複雑化と物理的限界
EC出荷主体の基幹倉庫において、卸先(BtoB)およびプロパー店舗(自社ブランド直営店)向け出荷の比率が急増し、既存の出荷キャパシティは限界に達していた。
ECは小口多頻度、卸は大量バルク、店舗向けはブランド基準に準じた精緻な検品・梱包といった、特性の異なる3つの出荷オペレーションを、限られた既設の防火区画内で共存させることが不可欠となった。特に、自動化設備(ROBO)のピッキング能力に対し、複雑化するパッキング(梱包)工程がボトルネックとなり、昨対比200%におよぶ需要増への対応が危ぶまれていた。
2.ソリューション
分析に基づくレイアウト刷新とマルチファンクション・ステーションの構築
物理的な面積制約を克服し、3チャネル混在型オペレーションのスループットを最大化させるため、以下の施策を断行した。
- チャネル横断型プロセス分析に基づく作業台(ステーション)の完全刷新
既存の作業台をゼロベースで見直し、EC・卸・店舗それぞれの梱包要件(資材サイズ、付帯作業、検品フロー)を網羅できる新設計のステーションを導入した。梱包資材の配置や供給動線をミリ単位で再設計し、作業者の身体的負荷を軽減しつつ、1台あたりの処理能力を極限まで高める設計を完遂した。 - スループット最大化に向けた動線の最適化と同期化
ROBOによるピッキングスピードと、後続の複雑なパッキング能力を整合させるため、詳細なシミュレーションを実施。防火区画内の制約下で、人・モノ・情報の動線が交錯しないよう、最短経路でのオペレーション動線を再構築した。これにより、工程間の滞機時間および移動ロスを最小化した。 - 波動対応力を最大化する「汎用設計」の導入
従来、チャネル別に固定されがちだった作業エリアを、全てのチャネルに対応可能な「マルチファンクション・ステーション」へと転換した。これにより、セール時のEC急増期や新作導入時の店舗出荷集中期など、日々のオーダー構成の変化(波動)に合わせてリソースを動的に配分できる、弾力的な運用体制を構築した。 - 実効的なハンズオン支援
稼働中の拠点を止めることなく、物理的なレイアウト変更と新プロセスへの切り替えを行うため、分単位の移行ステップを策定。現場に深く入り込みリードした。
3.プロジェクト成果
生産性の倍増と、事業成長を支える高柔軟な物流基盤の確立
本支援により、以下の成果を創出した。
- 全チャネル合計の出荷キャパシティ200%向上(前年比)
面積拡張を行わない過酷な条件下において、昨対比2倍の出荷ボリュームを安定的に捌く体制を構築。ボトルネックとなっていたパッキング工程の劇的な効率化により、拠点全体のスループットを過去最高水準まで引き上げた。
- オペレーションの柔軟性(Flexibility)の飛躍的向上
ステーションの汎用化により、チャネル比率の変動に対する調整コストを大幅に削減。EC・卸・店舗のいずれかが急増しても、他への影響を最小限に抑えつつ全体最適で処理できる体制を実現した。
- 単位面積あたりの生産性向上とブランド品質の維持
空間のデッドスペースを徹底排除したことで、保管・作業効率が向上。同時に、プロパー店舗向けに求められる高い梱包品質を維持したまま、処理スピードを向上させるという二律背反の課題を解決した。
クライアントからの声
Head of logistics S様
ジムウィー様には、倉庫における先端ロボティクスソリューションの定着化を力強くリードいただいています。AIツールの浸透に伴い、従来の「経験をサービス化する」コンサルティングだけでなく、専門家が少ない新領域でのファシリテーションや現場の巻き込み力がますます重要になっています。
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さらに、代表の立石様の真摯な姿勢がサービス全体に反映されており、新しい領域も安心してお任せできています。
※本プロジェクトを含め、複数のPJ・領域を跨いだ一連の支援に対し、クライアントよりいただいた評価。
※守秘義務および機密保持の観点から、掲載画像はプロジェクトのコンセプトを可視化したイメージであり、実際の現場写真ではございません。