物流自動化ソリューション(ACR)の導入およびPoC支援
1.PJ背景
グローバル戦略に基づく国内基幹拠点の自動化検証
クライアントのグローバル戦略において、物流自動化は最重要アジェンダの一つとして位置付けられていた。その一環として、日本の基幹倉庫において次世代型の物流自動化ソリューション「ACR(Autonomous Case-handling Robot)」のPoC(概念実証)を実施する運びとなった。
本プロジェクトの背景には、深刻化する労働力不足への対応に加え、限られた保管面積での在庫キャパシティ最大化、およびピッキング作業の抜本的な生産性向上があった。少数の防火区画を対象とした限定的な導入でありながら、将来的な全社展開の成否を占う重要な先行事例として、極めて高い品質と安定稼働が求められていた。
2.ソリューション
標準化を軸とした一気通貫の導入支援とベンダーコントロール
本プロジェクトにおいて、戦略的な要件定義から現場の安定稼働まで、以下の通り包括的な支援を提供した。
- 将来予測に基づくキャパシティプランニングと構成算定
将来的な入出荷物量の予測データ(Forecast)を詳細に解析し、投資対効果を最大化させるための最適台数およびシステム構成を算定した。単なる現状維持ではなく、数年後の事業規模を見据えたスケーラビリティを担保した。 - 「標準機能への統合」を見据えた要件定義とベンダー協業
要件定義フェーズにおいては、クライアント固有のカスタマイズを最小限に抑え、ベンダー側の「標準機能」にプロセスを適合させる、あるいは標準機能をアップデートさせる方針を徹底した。これは、将来の他拠点展開時のメンテナンス性やコストメリットを追求した戦略的な判断であり、ベンダーとの高度な交渉および協業を主導した。 - 上位システム(WMS/WES/ESS*¹)におよぶ高度な連携要件の策定
ACRのポテンシャルを最大限に引き出すため、WMS(倉庫管理システム)およびWES(倉庫実行システム)の階層構造を整理し、リアルタイムな在庫同期と作業指示最適化のための高度なIF(インターフェース)要件を定義した。安全基準とオペレーションの継続性を両立させる観点から精緻に議論をリードし、実装へと繋げた。 - 例外事象(Exception)を網羅した業務・システム設計
正常系のみならず、エラー発生時やシステム停止時などの「例外オペレーション」を想定した要件定義を実施。現場目線でリスクを洗い出し、BCP(事業継続計画)に耐えうる運用フローを構築した。 - 業務視点でのテスト推進と高度なベンダーコントロール
SIT(システム統合テスト)、UAT(ユーザー受入テスト)、本番稼働テストをリード。特に、現場で起こりうるエラーを精緻に想定したテストシナリオを作成し、実稼働後のトラブルを未然に防いだ。また、ロボット動作の微調整等の技術的な追い込みにおいても、現場(主に3PL)とベンダーの間に立ち、知見に基づいたコントロールを完遂した。
*¹ ESS=スケジューリング管理システム
3.プロジェクト成果
早期安定稼働の実現と全社展開への布石
本支援により、以下の成果を創出した。
- 早期の安定稼働とダウンタイムの最小化
徹底した例外処理のテストと業務シミュレーションにより、新ソリューション導入時に陥りがちな稼働初期の混乱を回避。導入直後から目標とした生産性指標を達成し、早期の安定稼働を実現した。
- 在庫キャパシティと作業効率の両立
ACRの特性を最大限に活かした在庫配置により、特定区画内での在庫保管効率が向上。同時に、ピッキング作業における歩行距離の大幅な削減を実現し、人時生産性の向上を確認した。
- グローバルスタンダードへの貢献
ベンダーの標準機能をベースとした導入手法を確立したことで、他拠点への横展開が容易な「日本モデル」を構築。本プロジェクトで得られた知見と調整内容は、クライアントのグローバルにおける自動化ロードマップの重要なベンチマークとして評価された。
クライアントからの声
Head of logistics S様
ジムウィー様には、倉庫における先端ロボティクスソリューションの定着化を力強くリードいただいています。AIツールの浸透に伴い、従来の「経験をサービス化する」コンサルティングだけでなく、専門家が少ない新領域でのファシリテーションや現場の巻き込み力がますます重要になっています。
ジムウィー様の卓越したキャッチアップ力と高いコミュニケーション能力により、現場を迅速に納得化させ、新しい技術や考え方を定着化するコンサルティング技術は大きな価値を発揮しています。
さらに、代表の立石様の真摯な姿勢がサービス全体に反映されており、新しい領域も安心してお任せできています。
※本プロジェクトを含め、複数のPJ・領域を跨いだ一連の支援に対し、クライアントよりいただいた評価。
※守秘義務および機密保持の観点から、掲載画像はプロジェクトのコンセプトを可視化したイメージであり、実際の現場写真ではございません。